Linux日記: 2005年

64bit環境に移行 (2005.12.3)

以前、物欲の記に書いたとおり、CPUをAthlon 64 X2に、マザーをASRock 939Dual-SATA2に変更したこともあり、Linuxも64bit環境に移行してみることにしました。

最近はFedoraを追いかけるのにも疲れたので、RHEL互換のCent OSをよく使っているのですが、こちらにもx86_64版があるので現在最新のバージョン4.2を落として入れてみることにしました。

インストールは慣れたRed Hat/Fedora Core系の流れで、64bitだからといって何も違和感はありません。 何も設定しなくても、kernel-utilsに入ってるcpuspeedデーモンによってCPU負荷でクロックの自動制御されるようになってました。 デュアルコアなのでsmpカーネルがインストールされましたし、特にトラブルもない...、と思ったらありました。 ネットワークカードが認識されてない


ASRockのWebサイトによると、Realtek RTL8201CL 10/100 Ethernetとのことですが、これは物理層のチップであってよくチップセットの内蔵機能と組み合わせて提供されているもののようです。 試しに sis900とか8139tooとか適当なドライバをmodprobeしても動作してる気配がありません。

で、このマザーのチップセット(ULi M1695&M1567)の製造元であるULiのページでドライバを見つけました。 JavaScriptが嫌いな人は、ftp://www.uli.com.tw/driver/から探してください。 現在の最新版は Linux_K2.6.x_Integrated132.zipです。

何故Linux用のドライバがzipで圧縮されてるんだか、少々違和感がありますが、とにかく解凍するとLAN_M5263の中にドライバのソースファイルが入っています。 readme.txtによると、カーネルソースを用意して、drivers/net/tulipフォルダに uli526x.c をコピーし、sampleフォルダを参考にMakefile、Kconfig.inを編集し、make menuconfigなんかでULi526xを有効にしてコンパイルしろ、とのこと。 面倒くさい。 というか、今のRHELだとkernel-sourceパッケージがなくなっているので、カーネルをアップグレードしてしたらsrc.rpmを入手してきて展開しないといけないわけで、Fedoraみたいに頻繁にカーネルのバージョンが変わるわけではないけど面倒くさくてそんなのはお父さんはイヤなのである。


といったところで思い出しました。 以前、RHELで作るファイルサーバ その1で書いたdkmsです。 あれを使えばディストリの提供しているカーネルに入っていないドライバをオンデマンドでコンパイルしてインストールしてくるではないですか。

しこしこしこ...。 でけた。

上記のIntegrated132.zipに含まれていたuli526x.cとRHEL4の現在のカーネル(2.6.9-22.0.1.EL)に含まれていたtulipフォルダ内のファイルを突っ込んで、ついでにULiの2.4カーネル用のドライバも別ファイルから抽出して突っ込んでパッケージ化したものをプライベートパッケージに置いておきます。 kernel-module-uli526x-0.9.3-dkms6ok.src.rpm をダウンロードして rpmbuild --rebuild kernel-module-uli526x-0.9.3-dkms6ok.src.rpm とすれば、/usr/src/redhat/RPMS/noarch に kernel-module-uli526x-0.9.3-dkms6ok.noarch.rpm が作成されます。 あ、当然ですが事前にDellのサイトから、dkmsを落としてインストールしておかないといけません。

さらについでですが、ntfsドライバもRed Hatの標準カーネルには同梱されてないので、kernel-module-ntfs も作ってみました。 uli526xドライバも含めてRHEL 3とRHEL 4(というかCentOS 4)で動作確認してあります。

そういえばATIのXFree86 / X.Org用ビデオドライバのATI Proprietary Linux x86/x86_64 Driverもdkmsに対応してたんですね。 /usr/src/fglrx-{バージョン名}/dkms.conf にAUTOINSTALL="yes"を追加しておくと吉です。


これでようやくネットワークが使えるようになりました。

せっかくなので、最近巷で流行のAnthyも入れてみました。 Linuxの日本語入力と言えば、FreeWnnCannaが定番なんですが、頑張って辞書を鍛えても変換効率は良くないし、正直古めかしさは隠せません。 というかもう何年も進化が止まっているように思われますし、最近のFedoraやRHELで採用されているiiimfも正直ユーザとして使ってみてメリットが感じられません。

Anthy + SCIMをテストしてみて驚きました。 変換開始・終了キーの設定もGUIで簡単にできるし、変換効率も含めてWindowsと比べてもかなり遜色ないところまで来てるのではないでしょうか。 やっぱりこれぐらいのものがないと普通の人はLinuxなんて使えないですし、こういうものが出てくるとユーザーが広がるきっかけになるかもしれないですね。

SCIM + Anthyの画面。「私の名前は中野です。」はいわずとしれたWnnに向けた洒落です

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