PCの静音化

突然ですが、あなたのPCはうるさくないですか? PCの中には、CPUファン、電源ファン、ケースファン、ハードディスク、CD-ROMドライブ等の様々な回転体があり、これらの回転する音、風切音、さらにはケースに共振して出るビビリ音など、多種多様な音を奏でてくれます。 私のPCはリビングに置いてあるわけですが、やはり自宅の中心、家族の過ごす時間の長い場所ですから、できる限り静かな方が望ましいのです。

そう考える人はやっぱりたくさんいて、Webでもちょっと探せばPCの静音化に関するページはいくらでも見つかります。

とはいえ最近のCPUは高速&高発熱ですから、強力なファンが数多く必要になってきています。 静音化をすることは、当然冷却面では不利になり、内部の熱が高まる可能性がありますから、動作マージンをみながら少しずつ削っていくという、ある意味オーバークロックに通じるものがあります。 まぁやってることは正反対で、静音化のために逆にダウンクロックする場合もありますけどね。

私も関連サイト等から勉強しつつ、私なりに試行錯誤しながらいろいろとやってきました。 有名どころはいろいろあるでしょうが、このネタに限らず参考になるネタ満載なのは、今日の必ずトクする一言でしょうね(ずいぶん昔から愛読させてもらってます)。 発熱の高いAthlon等ではもう少し冷却能力を考えないとツライところですが、静音化のために何をすればよいのかよく分かると思います。


CPU冷却ファンの回転数引下げ、大型化(6cm→8cm)

Athlon/DuronやPentium IV等、最近の高速CPUはかなり熱いので、CPUクーラーにはファンが必須となっています。 VIA C3等、低発熱のCPUと巨大なヒートシンクを使えばファンレス運用も不可能ではありませんが、私はそれほどヘビーではないにせよ「ゲーマー」でありますので、それは選べない手段です。 実験として、CPU冷却用の6cmファンを7V駆動にして回転数を落としてみましたが、やはり温度が高くなってしまいました。 最近は本当に暑いですからね、CPUについてはファンを止めるのも、回転数を落とすのも難しそうです。

ただ、より大型のファンを使えば回転数を低くしても同等の風量を稼ぐことができますので、8cmのケース用ファンに変換アダプタ(「ダウンバースト」等の商品名で売られてます)をかましてヒートシンクに装着する手があります。 私もSANYO製の8cm可変速ファンに付け替えてみたりしました。


ケースファンの回転数引下げ

私の使用しているCooler Master社のATC-201には前面吸気×2、背面排気×1、上面排気×1と4つの8cmファンが搭載されています。 使用されているファンはCooler Masterブランドの12V 0.18Aのもので、これが4つ回っていると結構うるさいです。

というわけで、店頭に山積みされていた安価なファン(日本電産製の簡易流体軸受け採用12V 0.12A 2800rpm / 30db )を前面、背面に1つずつ装着し、それ以外のファンは撤去しました。 ちなみに残った2個のファンも7Vで駆動して静音化を図っています。

ファンの回転数を落とすために通常の12Vではなく5Vにしてみたら、ファンがそもそも回転してくれなくなってしまうことが結構あります。

  1. 黄色の線 12V
  2. 黒の線 GND
  3. 黒の線 GND
  4. 赤の線 5V

電源から伸びている4pinコネクタは、こんな構成になっており、ケースファン等へは1と2から配線され12Vが供給されています。 で、2につながっているコードを4に繋ぎ換えてしまえば、12Vと5Vの電位差を利用して7Vが作り出せるわけです。

最近は可変抵抗がついていて、速度を何段階かに切り替えられるケースファンも発売されているようですね。 そういうものを使えばこんな技は不要かもしれませんが、こっちの方が安く済みますしね。

なお、チップセットやスーパーI/Oコントローラが対応していれば、FanSpeed等のユーティリティにより、マザーボード上のコネクタに接続したCPUクーラーやケースファンの回転速度も制御することもできるようです。

(2002/06追記)
上記の7V技は電源に負荷をかけるという話もありますし、微妙な調整も行いたいので、今はファンコントローラを使ってます(詳細は6月8日の物欲の記を参照)。


電源内蔵ファンの交換

私の使用しているDELTA製300W電源には、12V 0.18Aの8cmファンが内蔵されていて、結構うるさいものでした。 とはいえ、電源もかなり発熱しますし、必要だから入っているわけで、いきなりファンを除去したり、低回転化するのは怖いものがあります。

というわけで、私はSANYO製の温度検知式の可変速ファンに入れ替えて使用しています。 高級な電源だと、もともと温度検知式の可変速ファンを搭載しているものもありますね。


ケースファンの風切音の削減

ファンを装着する部分が「空気の通り穴をパンチしてある」タイプのケースが良くあります(私のATC-201もそうでした)。 空気の通り道にこんなものがあると流れを悪くしますし、風切音もしてしまいます。

というわけで、私はニッパで強引に切り取ってしまい、ワイヤー製のファンガードに付け替えてみました。


ケース側板に鉛テープを貼り付け

ファンやハードディスク、CD-ROMドライブ等の回転体自体も音を発しますが、これらに共振してケースが発するビビリ音も時には無視できないものになります。 特に、CD-ROMドライブが一番強敵ですね。 この場合、CD等のドライブをケースに装着するときに、ゴムをはさむとかワッシャを使う等が有効ですが、ケースの側板にDIYショップ等で売られている鉛テープを貼り付けておくと共振をある程度防げます。


その他

その他、ハードディスクを「SmartDrive」等の吸音材の詰まった箱に閉じ込めてしまうという手もありますね。 ただし、ハードディスク、特に高速回転型のドライブは結構熱を出しますので、やや危険もあります。 私はといえば、そんなお金のかかる手は好かぬ(^^;

テストしたケースファン

今まで、騒音と冷却能力のバランスを求めて、様々なファンを買ってきました。 有名・無名、高価なものからジャンクまで、気がつくと大変な量に(^^;。 もちろん、下のリストは全部ではありません。

電圧を下げて回転速度を下げると、風切音は確実に減りますが、当然風量も減ります。 それだけではなく定格では発生しない妙な音や振動を発生することもありますが、それはメーカーのせいではないですよね。 そもそもファンには個体差もありますから、ベストを求めて試行錯誤していると、部屋がファンだらけになってしまいますのでご注意(^^;。

8cmクラス

ケースファンや大型ヒートシンクのファンとしてよく用いられるのは8cmクラスです。 標準的には12V 0.12A 3000回転前後といったところでしょうか。 この速度域ではそれなりの風切音がすることは避けられません。 必然的に電圧を下げて利用することになります。

高価な静音ファンを買うか、安い標準速度のファンを電圧調整して使うのがいいのか。 私は結局後者の方が良い気がしています。

CRAFT MAN CH80S12M12V 0.13Aジャンク380円で入手したもの。定格電圧では標準的な安物ファンという感じですが、電圧を細かく下げていっても妙な振動や音を発することもないので、なかなか優秀
Nidec D08A-12PG12V 0.12A2800rpm(1.05m3/min) / 30db簡易流体軸受。電圧を下げて静音化するのに丁度良い。安いしと思ったら、今はNidecファンって結構なお値段になってるみたい
ZAWARD ZGF8012V 0.12A2000rpm(22.7CFM)/17.8dbA(12V時)
1000rpm(11.35CFM)/8.9dbA(5V時)
ゴルフボールのようにディンプルが入ってる、12V→5V変換のコネクタ付のスリーブファン
Panaflo FBA08A12H12V 0.29A2950rpm(1.12m3/min) / 32db流体軸受。定格電圧では分からなかったけど、電圧を下げてみたら軸ブレ音がする。勿体無いが速攻でお蔵入り
INNOVATIVE SP802512L12V 0.12A購入したケースに入っていたもの。回転数や音は標準的な安物ファン。4pin端子でおもしろみがないので却下
Nidec D08A-12PS312V 0.06A1600rpm(20.83CFM) / 15db簡易流体軸受。いわゆる静音ファン。さすがに真夏にAthlon XPを冷やすのは無謀か
SANYO 可変速12V 0.14A1450rpm(30℃) / 14db
2200rpm(35℃)
3000rpm(40℃) / 29db
現在はデルタ製ATX電源の中に突っ込んでます
ADDA AD0812HS-A78GL(可変速)12V 0.29A1200rpm(20℃)
3000rpm(50℃)
スペック的にはCPU冷却ファンに丁度良さそうな回転速度なんだけどちょっと軸ブレ音がする
GLOBE FAN 12H-3M(可変速)12V 0.23Aスペック不明

6cmクラス

昔、TAKACHIN 6030やALPHA6035のヒートシンクと組合せて、少々試していた頃がありました。 今はサブマシンだし、まったくノータッチですね。

SANYO 109R0612H40212V 0.11A3800rpm(0.53m3/min) / 28db
SANYO 109R0612S40212V 0.17A4600rpm(0.65m3/min)/ 33db
Nidec D06T-12PG12V 0.14A3750rpm(17.65CFM, 0.499m3/min) / 27db

その他

サイズ KAMA FLOW 9cm SA0925FDB12M12V 0.13A流体軸受け採用の2000rpm級9cmファン。27.5dbA/37.1CFM。1600rpm/19.7dbA/29.7CFMのモデル(SA0925FDB12L)もあるようです。

Return to 'CLOCKUP' Menu「クロックアップ」のメニューに戻る / Return to topこのページのTOPに戻る